パウエル議長解任騒ぎは茶番だがマーケットに与える影響は小さくない

2018年12月22日、ブルームバーグが、トランプ大統領がパウエルFRB議長の解任に向けて動いているとの情報を4名の関係者から極秘に入手した、と報道しました。

これにより昨日からパウエル議長解任騒動が勃発したように見えるわけですが、実際は先月のうちに既にこの騒動の結論が出ています。

CNBCがモルガン・スタンレーの識者に取材したところによると、トランプはパウエル議長を解任することはできない(権限が無い)ということです。取材日は2018年11月29日でした。

“トランプ大統領がパウエルFRB議長を解任することは不可能:モルガン・スタンレー(CNBC 2018.11.29)”

トランプ大統領はパウエルFRB議長に対し相当なフラストレーションが溜まっている。とはいえ、大統領にはFRB議長を解任する権限は無いとモルガン・スタンレーは言う。

「米国大統領はFRB議長を任命はできるが、一旦任務に就いたFRB議長を解任する権限は無い。FRB議長が法を犯したなどの正当な理由がない限り解任は不可能。」

エレン・ゼントナー(モルガン・スタンレー主席米国エコノミスト)

米大統領が金融政策に直接干渉し影響を及ぼす事ができないよう、その権限は大幅に制限されているといいます。そのため実際に解任される確率は極めて低いでしょう。

なので、相当めんどくせえ事ですが米国株投資家は「FRB議長は解任されない」事をまず前提とした上で、今後の相場に何が起こるかを判断していかなければなりません。トランプめ・・・しょうもねえ茶番をやりやがって・・・。

ウォール街がこの騒動をどう見ているかという記事が本日CNBCのサイトに掲載されていました。

”ウォール街の視点:「あいつ完全に頭おかしい」(CNBC2018.12.22)”

ホワイトハウスの広報担当官はCNBCの取材に対し、「パウエル議長解任についてはノープランだ」と回答した。

ホライゾンインベストメント社の主席ストラテジスト、グレッグ・バーリエはCNBCの取材に対し、「狂っている」「完全な狂気」とトランプ大統領をこき下ろした。

「12月の利上げはFRB理事会の満場一致で決定された。ということはトランプ氏は理事会メンバー全員を解任するつもりだろうか。」

「トランプ氏が本当に解任に動けば市場は大混乱に陥る。」

「そうなればおそらくラリー・クドロー国家経済会議委員長は抗議の辞任を行うだろう」

グレッグ・バーリエ

そうこうしている内にまた続報が入ってきましたよ。

”ムニューシン財務長官「トランプ大統領はパウエル議長を解任するとは一言も言っていない」(CNBC2018.12.22)”

大統領はそんな事言ってないそうです。

もう、勝手にしてー。

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