民主党の議員が、企業の自社株買いに反対しており、自社株買いや配当支払を制限する法案を成立させることを検討しているとニューヨークタイムスが報じました。
“民主党のシューマー議員とサンダース議員が企業の自社株買いを制限すべきと主張 (ニューヨークタイムス 2019.2.3)”
ざっくり以下のような事が書いてありました。
- アメリカでは貧富格差が広がっており問題だ
- 企業の自社株買いは、富裕層(資本家側)と非富裕層および貧困層(労働者側)の格差をこれまでもこれからも広げていくだろう
- だから企業は自社株買いで株価を上昇させる余力(金)があるくらいなら、その金で自社の労働者により良い賃金を支払い、待遇を改善すべきだ
- そのようにして企業が国民経済全体に恩恵をもらたすべきであり、それが格差是正に繋がる
- そのため企業の自社株買いを制限する法案(賃金や待遇で一定の条件を満たさない限り自社株買いができない仕組み等)を通す必要がある
- 法案により自社株買いが制限されても、企業は代わりに配当支払を行うであろうから、次は配当金を制限する法案を作る必要がある
このような主張を民主党のチャック・シューマー議員とバーニー・サンダース議員が言い出したそうです。
なんですかね、この無駄にリベラルな感じ。資本家を否定して労働者に寄り添っているようなこの感じ。さすが民主社会主義者を自認するサンダース議員といったところでしょうか。
民主社会主義とは:
Wikipediaより
革命を否定し、議会制民主主義の中で社会主義の理想を実現しようとする、中道左派の穏健な社会主義思想であり、社会民主主義の捉え方の一つである。資本主義社会の「改良」を訴え、階級闘争を否定するのが特徴。
企業に搾取される低賃金労働者を守る!みたいな事を言っている風ですが、搾取されながらも低賃金の中から少しずつ株式を買い進めて資本家側にまわろうとしている労働者もいる事をどうお考えですか・・・?
CNBCはこの主張に関して、「2020年大統領選において、民主党の議席を確保するためのパフォーマンスだ。」と酷評しています。ソリャソウダ。
現実的に考えて、サンダース議員が頑張ったところでそう簡単にウォール街を規制する事はできないでしょうし、できたとしても相当時間がかかることは間違いありません。
労働者は政府から規制で守ってもらう事を期待するよりも、株式投資を通じて一刻も早く資本家側に回る方が賢明です。
米国株ブログみたいな締め方になってしまった。
初めまして。
現地情報の発信をありがとうございます。
法案化には?ですが、民主党議員や若い層からどれくらい賛同があるか、関心はあります。中間選挙の結果もありますし。
ただ、アメリカの家計資産がこの20年で約3倍に増えた話の中で、その構成比の約50%が株式・投信と聞きました。現金は13%。
何故そんなに株や投信多いのかな?と思ったら、企業型確定拠出年金の初期設定がバランス型投信になっていて、運用を選ばない人も何もしなくても投資する仕組みだそうで、
投信の半分は年金(DC)経由で買われているとの事。
多分ですけど、年金(DC)加入者は自社株買いや配当に反感は持ってないと思います。
お二人はもっと不安定な雇用者に目を向けようという立場なんでしょうが。
この企業型確定拠出年金の話は、日経新聞の田村正之さん著『人生100年時代の年金戦略』で読みました。私はへェー!!そうなの⁉と思ったのですが、既にご存知でしたら長々コメント、申し訳ありません〜。
みずほさん
アメリカの確定拠出年金の情報ありがとうございます。全然知りませんでした!アメリカは預金金利も日本と違い数%つくでしょうから、DCも元本保証の銀行預金が人気かかと思いましたが、意外と違うのですね。貴重な情報ありがとうございました。