米国によるファーウェイの締め出し。
それに対する中国の反撃として予想されるのは、中国がアップルを中国市場から締め出すという報復措置です。もしアップル製品が中国国内で販売を禁じられたらどうなってしまうのでしょうか?
その場合、アップルの収益は30%減少するとゴールドマン・サックスは試算しています。
”ゴールドマン・サックス、中国がアップル製品を禁止した場合、同社の収益は3割減と指摘(CNBC 2019.5.22)”
3割減って簡単に言いますけどね・・・
アップルの2018年の収益(売上高)は2,656億ドル(約29兆円)ですからね。
3割減というのはだいたいマイナス9兆円弱です。
9兆円というのはだいたい群馬県の年間GDPに匹敵しますね(微妙に分かりにくい例え)。
中国市場でのBANはアップルにとって大打撃という事が分かります。
現にこの試算を担当したゴールドマン・サックスのアナリスト、ロッド・ホールは、アップルの目標株価を従来の184ドルから178ドルに切り下げました。
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では実際にアップルが締め出されるかどうか以前に、現在の中国の消費者の動きはどういった感じなのでしょうか。
CNBCによると、中国ではここ最近、消費者のアップル離れが見られるとのことです。
”中国の消費者がアップル製品を避け始めている。(CNBC 2019.5.23)”
アップル製品の中国国内売上とシェアが落ちている事が指摘されています。
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中国の経済紙では本件をどのように報じているのでしょうか。香港の経済新聞であるサウスチャイナ・モーニングポストは以下のように伝えています。
”ファーウェイ禁輸問題で、熱心な中国人アップルファンですらファーウェイ側に付き始めている(サウスチャイナ・モーニングポスト 2019.5.22)”
同紙によると、長年の中国人iPhoneファン達が、ファーウェイ禁輸への抵抗としてファーウェイ製スマホに買い換えているとの事です。
「ファーウェイを支持しよう」「ファーウェイに買い換えよう」といった愛国主義的 / 国粋主義的な動きも加速しているといいます。
中国国内では、アップル製品のボイコットの機運が高まる可能性が出てきました。そうなれば、例えアップル製品が販売禁止にならなくとも、アップルの売上減は避けられないように見えます。
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ただし一方でブルームバーグは、こういった中国アップル悲観論は非現実的だ、という記事を掲載しています。
記事の中でアナリストのダニエル・アイブ氏は、アップルはフォックスコンテクノロジーにアップル製品の生産を委託しており、そのおかげで中国国内に140万人もの雇用を生み出していることを挙げ、アップルが中国のハイテク業界における重要なプレーヤーであると指摘しています。
また同氏はアップルの投資判断を「買い推奨」、目標株価を「235ドル」に据え置いています。
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直近1ヶ月間を見ると、アップルの株価は綺麗な右肩下がりです。
しかしここまでが織り込み済みの株価で、ここからアイブ氏の言うように235ドルに向けて反転するのでしょうか。
それとも地獄の始まりでしょうか。
ホルダーの胆力が試されます。
なお全力米国株はアップル株を保有していませんので、心安らかに高みの見物をさせて頂きます。
嘘です。
SPXLにもTQQQにもアップルが大量に含まれており、アップルが下落するとポートフォリオと心がゴリゴリに削られますので、中国市場でのBANは本当にKAMBENして下さい。