元FRB議長アラン・グリーンスパン氏の最新著書「CAPITALISM IN AMERICA(アメリカ資本主義の歴史)」を読みました。
原書の発売は2018年で、日本語翻訳版を楽しみに待っていたのですが、いつまで経っても翻訳版が発売される気配がないので、仕方なく原書を買って読むことにしました。ザーッと粗目に読んで1周目が終わったところです。
大雑把な感想なんですが、「ああこれは今後もアメリカに投資し続けるのが正解だな?」という一言です。米国株投資家としてお決まりの着地かよ!とお思いになるかもしれませんが、だって本当にそういう感想なんですよ。経済発展の歴史の長さが違いますよ!
1776年にアメリカが独立宣言を行い、今年で243年目になります。独立当時はアメリカは世界の中の田舎国家の一つでしかなくて、まさかここまで発展するなどとは思いもよらなかった・・・のかと個人的には思い込んでいましたが、どうもそういうわけでは無かったという事をこの本で知りました。
1600年〜1776年の植民地時代において、既にアメリカ(当時はイギリスの植民地)は世界で最も高い経済成長率を誇っていたという事です。
その理由は土地・資本・労働力が極めて豊富だったから。
植民地時代といえば300年近く昔ですが、既にその頃からイギリス人が自らの資本を力一杯投下して、あの広大なアメリカの大地から金を生み出していたのですね。金の匂いがするアメリカ大陸にはヨーロッパからどんどん移民が集まり労働力に困ることはありませんでした。そのように桁違いの土地・資本・労働力を背景に植民地アメリカはどんどん豊かになっていったようです。
その後1760年代に、イギリスで立て続けにジェニー紡績機、ワットの蒸気機関、アークライトの水力紡績機、カートライトの力織機などの大発明がなされます。これが産業革命の引き金を引くわけですが、こういった発明品や新技術も(イギリス人資本家のおかげで)すぐさまアメリカに輸出されて、更にアメリカで金がじゃぶじゃぶ湧いてくる、という見事な空中コンボが決まり始めます。
それで1776年にアメリカはイギリスから独立するわけですが、その頃になると豊かで栄養状態の良いアメリカ人(白人系)はヨーロッパ人よりも平均身長が5〜10cmも高くなっていたそうです。金の力、資本主義の力は偉大ですね。
というわけで、アメリカ独立時点で既にアメリカ経済は世界から抜きん出た状態となっていました。経済的に「勝っている」状態の歴史の長さに驚かされます。
そこから現在まで、結局ほぼ一度も抜かれる事なくアメリカは世界経済のトップを走り続けるわけですが、途中で人類で初めて核の力を実用化してみたり人類を初めて月に送ってみたり、グローバリズムを体現する数多くのトップ企業(エクソンとかGEとかマクドナルドとかコカコーラとかウォルマートとかP&GとかJNJとかボーイングとか)を輩出したりインターネット革命で世界中の富を集約したりスマホを作ったりバイオだナノテクだAI開発だロボットだ何だかんだと色々やりながら、人類の近現代史の始まりから現在まで全く付け入るスキを与えず徹底的に世界経済の覇道を進んで行くわけです。
こうも見せつけられるとアメリカ以外の国が経済の覇権を握ることなんて全然想像できなくなるわけで、ていうかそもそも米国株以外に投資する意味って何だろう?という疑問を持ってしまうわけです。
更にいうと植民地時代から300年も400年も世界トップの経済成長を実現している米国経済に対して「リセッションが来たらどうしよう」とか「暴落時に下がったところでうまく買えるかな」とか、そんな現在における瞬間的な出来事を心配するのは長い目で見るとかなり小さな問題だよな?と錯覚してしまうからから不思議です。
ちなみに50年前の今日、アメリカ人が人類史上初めて月に降り立った瞬間、人類史におけるアメリカの勝利は確定したものと思っていますが皆さんはどうでしょうか。
という事で全力米国株はこれからも米国株に一極集中で淡々と投資を行い、勝ち馬に乗り続けようと思います。
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