昨晩のような株価の上昇は何の意味も無し

     

2019年8月29日(木)、ニューヨーク市場は上昇して取引を終えました。2日連続で上げました。

要因は米中が貿易問題で態度を軟化させたとみられた事でした。

まず中国が「問題解決したい」と前向きな意思表示を行い、

それを受けてトランプも前向きな態度を示したと報じられました。

これによりアメリカ・中国の冷静な態度がこれまでの対立姿勢を緩めたと市場が受け止め、株価は上昇しました。

まあ、とは言っても何か具体的進展があったわけではありません。こういうのはこれまでも何度も見て来たよくある風景なので、新たなニュース次第ではすぐに相場の調子は崩れる事でしょう。 

短期的にはトランプには全く期待していませんよ!

 

    

米中貿易問題が米中貿易戦争に発展してしまったおかげで、アナリスト達はS&P500企業の2019年EPS伸び率予想を下方修正せざるを得なくなってしまいました。

”ウォール街はネガティブ収益予想。3年ぶり。(CNBC2019.8.29)”

ファクトセットによると、2019年初めにアナリストらが予測したS&P500企業の収益(EPS)伸び率は+7.6%でしたが、現在は+2.3%に下落しているという事です。要因はもちろん米中貿易戦争が各社のビジネスに重しとなっているためです。

期中にこのように大きく予測値を下げるというのは、2016年以来3年ぶりだそうです。

画像はCNBCより

 

「米国と中国の多くの企業が、過去1年間の関税の費用を(販売価格で吸収するなどし)自社で負担した。だが今後関税の一部は30%に引き上げられる予定であるため、収益へのより大きな悪影響が予想される。

ウェルズ・ファーゴ投資研究所

企業収益が減少すれば、その収益を生み出すための雇用・設備投資・製造が減少し、来年の収益もまた減るという悪循環。

    

「米経済はまだリセッションには陥らないかもしれないが、経済は減速している。まだマイナスには至っていないが、収益の成長は止まりつつある。ゆえに株式市場がここから大きく巻き返すのは難しいと考えている。

Miller Tabak社のチーフ株式ストラテジスト

ここにも弱気なアナリストが一人・・・ 

   

トランプや中国政府がいくら解決に前向きなコメントをしても、現在実際に課せられている関税そのものに変化がない限り、企業の収益は押し下げられ続けます。今日のように対立緩和期待でちょっと株価が上がっても、長期的にはも何の意味もないでしょう。

  

トランプは昨晩の米ラジオ番組で「これまでとは違うレベルで貿易交渉を再開する」と表明しましたが、違うレベルでも同じレベルでも何でもいいのでとっとと結果を出してくれやwと思いました。

  

  

  

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