あと10年ぐらいリセッション入りしないのではないか
昔々、とある未開の部族の「雨乞い」技術は驚きの高成功率だったそうです。なんと成功率100%。なぜか?
答えは雨が降るまで何百日でも雨乞いを行い続けていたから。。。
というのは古くからあるジョークですが、米国株投資、特にリセッション入りのタイミングについても同じ事が言えそうです。
つまり「リセッションは経済サイクル上避けられないため、次のリセッションは必ずやってきます」。この予想はほぼ100%的中するという事です。
問題はそれが1年後なのか、2年後なのか、10年後なのかというところです。
そのためアメリカのリセッション予測関連記事は「今後1年以内に発生するか、2年以内に発生するか」という、だいたい1-2年ぐらいのスパンで考える記事がほとんどです。
シーゲル教授も似たような点を指摘していました。
「我々の経済はリセッションに向かっているのだろうか?最終的にはリセッション入りするのか?
はい、もちろん。」「 問題は、それが来年なのか、それとも一年半後なのか、という点だ。 」
ジェレミー・シーゲル
ペンシルベニア大学ウォートン校のラジオ番組で、コメントしていました。
”次の景気後退は迫っているのか?(Knowledge at Wharton 2019.8.23 )”
「(逆イールドが発生しリセッション入りへの警戒心が急上昇しているが)現在、リセッションに向かっているという現実的な兆候は逆イールドからは読み取る事ができない。」
ジェレミー・シーゲル
なぜ今回の逆イールドがリセッションの兆候ではないといえるのか?
(要約)
長期金利が押し下げられている(その結果逆イールドが発生している)のは、ファンダメンタルズに問題があり金利が下がっているのではない。過去と比較して労働者や投資家が高齢化しており、より多くの資金を貯蓄性の高い安全資産へシフトさせる動きが加速している。米国債を安全だと考える投資家が多いのだろう。みな長期米国債を買いまくっている。また欧州の主要債券が全てマイナス金利ということもあり、利回りがより魅力的な米国債に資金が流入している。この需要増が米国債の価格を押し上げ、長期米国債利回りの低下に繋がっている。これが長短金利逆転を引き起こした。
そのため現在の逆イールドは、過去よりも脅威が少ないといえる。
「今回は違う」という事ですね。
(要約)
米国の景気拡大局面が始まり10年が経過するため、リセッションが間も無く始まると主張する人も多い。しかし景気後退が発生するための決まったサイクルは無い。オーストラリアには現在も20年以上不況がなく、またかつてイギリスにはほぼ同じくらいの長さの経済成長があった。米国の景気拡大がすぐ終わるとは限らない。政治や金融政策があと3〜4年混乱しなければ、豪州や英国と同様20年近く経済拡大が持続する可能性もあるのではないか。」
ただしシーゲル教授はこうも言っています。
短期的にはリセッション入りはあり得ない。しかし、経済は間違いなく減速している。
経済は減速している=GDP伸び率の鈍化だそうです。
いま、相反する2つのジンクスが同時に発生し、せめぎあっている状態です。果たして結果はどちらになるのか・・・神のみぞ知る世界です。
- 今回は違う。だからリセッション入りの心配は無い。→リセッションが来そう
- リセッションが来るぞ来るぞと身構えている人が多くなってきた→逆にこういう時はリセッションは来なさそう
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全力米国株 様
有用で娯楽性も備えた記事をいつも楽しませていただいています。
最近、ポジション調整を検討される個人投資家の方が増えてきたように思いますが、過去の振り返りから未来を見通すことの難しさはどんな時も変わりませんね。
まだしばらく時間がかかりますが、私も全力での米国株投資を実現したいと考えています。
公務員米国株投資家 様
ありがとうございます。モチベが上がります。
確かに最近はポートフォリオを調整する人やキャッシュポジション多めにする人、全額キャッシュにする人が増えてきましたよね。
先のことはおっしゃる通り予想できないのですが、ここから先の人生で投資期間が何十年も残っている人達は、株式市場に強気で投資し続けた方がいいんじゃなかろうかと思っています。ジム・クレイマーの受け売りですが。