ジェイミー・ダイモンCEOは米経済にやや悲観的

 

広瀬隆雄氏をして「ウォール街の太陽王」と言わしめるジェイミー・ダイモン氏(JPモルガンCEO)が、2019年4月4日(木)に発表したJPモルガン株主へ向けた書簡の中で、今後の米経済と株式市場をより悲観的な見通しにする幾つかの問題点を挙げていました。

ブルームバーグ日本語版がこれについて翻訳記事を出していました。しかし、英語原文記事の全てが翻訳されているわけではなかった(だいたい半分ぐらいの翻訳)ので、このブログではまだ日本語になっていない部分にも焦点を当ててみようと思います。

 

日本語記事の内容は要するにこんな事を言っています(ブルームバーグ日本語版2019.4.4)。

  • 投資家は今後も2018年12月のようなボラティリティに備える必要がある
  • 2018年第4Qの急落は今後の予兆なのかもしれない
  • FRBの政策金利の行方、ドイツ経済の減速懸念、ブレグジットの先行き、米中貿易紛争の今後について、見通しは悲観的だ
  • 投資家は「流動性の新しいスタンダード(ニューノーマル*)」に直面している(*銀行や他のマーケットメーカーなどの金の貸し手に対する政府の規制強化が原因で、貨幣の流動性が逼迫する問題のこと)。
  • 地政学的緊張が高まっており、米国の世界経済のリーダーシップと影響力が不確実なものになりつつある
  • このようにダイモンCEOの論調は過去数年の楽観とは打って変わり、慎重姿勢へシフトした
  • また投資銀行部門責任者のダニエル・ピント共同社長も自身の書簡の中で、リセッションが早まる事を投資家が懸念しており、その投資家心理が昨今の高ボラティリティに繋がっている、と指摘した

********

加えて英語原文記事では上述した内容の他に以下のような事が述べられています(ブルームバーグ2019.4.4)。

リセッションの見通しについて、ダイモンCEOは「JPモルガンはリセッションへの備えを怠っていないが、リセッションが到来すると予想している訳ではない。」と述べた。

 

ダイモンCEOは「米国政府の政策決定の不備が米経済成長の停滞を招く原因の一つだ」としばしば嘆いている。

  

ダイモンCEOはまた、他社のCEOに呼びかけ、社会政策や公共政策により深く関与するよう要請しており、JPモルガンはそのような問題対処についてリーダーシップを発揮していると述べた。

 

JPモルガンは2019年に6500名のウェルスアドバイザーを雇用する計画である。これにより投資銀行部門のマーケットシェアを拡大する。

 

逆イールドについてダイモンCEOは、過去ほどのリセッション入りを予測する有力な指標ではないと考えている。理由は中央銀行は昔よりも確実に経済に”介入”するから。

   

ダイモンCEOは、米国最大の脅威はサイバーセキュリティの問題だ、と述べた。

 

ダイモンCEOは経済成長のために資本主義を強く支持する一方、社会主義は停滞、汚職および権威主義の役人を生み出す傾向があることから「米国の災害」であると警告した

(これ、ソフト社会主義者であるバーニー・サンダース議員への牽制球?)

 

ダイモンCEOによる株主への書簡は、2005年のCEO就任時から続いているが、初期に比べて長さが3倍近くになった。今年は51ページもある。内容はより公共経済寄り、社会全体目線になってきている。本人は即座に否定したが、これは次期アメリカ大統領選への出馬を見越してのことではないか、と噂されている。

(あ、やっぱり大統領選出るんだ?)

 

米国株投資家としては、ダイモン大統領が誕生してくれる事を祈っています。

 

  

なぜならダイモン氏が大統領に就任した暁には、見慣れた顔のジェイミー・ダイモンが刃牙シリーズに登場するというファン待望の大イベントが発生してしまうわけです。

今から興奮を禁じ得ません。


  

  

2件のコメント

  1. 見たかった記事でした。
    ありがとうございます。

    トラムプの次はダイモヌでしょうか。
    楽しみです。

  2. そう言って頂けると嬉しいです。
    オズマ、トラムプと来て次は誰でしょうね。米国株投資家にお馴染みのダイモヌかブルーヌバーグあたりが実現して欲しいです。

八百屋経理マン へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。